児童発達支援・放課後等デイサービスで育む集中する力|注意力・集中力のサポート方法

はじめに:どうして集中することが難しいの?
ひとつのことに意識を向け続ける力のことです。 絵本を最後まで読む、パズルを完成させる、塗り絵を仕上げるなど、短い時間でも続けて取り組む経験が積み重なると、少しずつ集中できる時間が伸びていきます。
集中が続きにくい理由の例
興味や関心が長く続かず、すぐに飽きてしまう
疲れやすく、集中を保つためのエネルギーが続かない
周囲に気を取られやすく、他の刺激に注意が移ってしまう
支援の工夫
短い時間から始める:最初は5分程度など無理のない範囲で集中を経験する
時間の見通しを示す:タイマーを使って「あと少し」とわかるようにする
好きな題材を活用する:キャラクターや興味のあるものを取り入れ、自然と集中しやすくする
集中しやすい環境を整える:音や物を減らし、気が散りにくい空間にする
成長を実感できるようにする:「今日は昨日よりも長くできたね」と小さな変化を伝える
休憩を挟む:疲れすぎないように、集中と休息のリズムを作る

目次
1.はじめに:どうして集中することが難しいの?
2.注意を続ける力:集中を持続させる工夫
3.注意を切り替える力:活動の移行を助ける工夫
4.必要なことに注目する力:選択的注意を育てる工夫
5.ご家庭でできる工夫
6.ワンポイントアドバイス(保護者さまへ)
1. 注意を続ける力:集中を持続させる工夫
ひとつのことに意識を向け続ける力のことです。 絵本を最後まで読む、パズルを完成させる、塗り絵を仕上げるなど、短い時間でも続けて取り組む経験が積み重なると、少しずつ集中できる時間が伸びていきます。
集中が続きにくい理由の例
興味や関心が長く続かず、すぐに飽きてしまう
疲れやすく、集中を保つためのエネルギーが続かない
周囲に気を取られやすく、他の刺激に注意が移ってしまう
支援の工夫
短い時間から始める:最初は5分程度など無理のない範囲で集中を経験する
時間の見通しを示す:タイマーを使って「あと少し」とわかるようにする
好きな題材を活用する:キャラクターや興味のあるものを取り入れ、自然と集中しやすくする
集中しやすい環境を整える:音や物を減らし、気が散りにくい空間にする
成長を実感できるようにする:「今日は昨日よりも長くできたね」と小さな変化を伝 える
休憩を挟む:疲れすぎないように、集中と休息のリズムを作る
2. 注意を切り替える力:活動の移行を助ける工夫
今していることから次の活動へと気持ちや意識を切り替える力のことです。 たとえば「遊びから片づけへ」「おやつから学習へ」と移るとき、この切り替えがスムーズになると、生活の流れを見通しやすくなり、安心して過ごせるようになります。
注意の切り替えが難しい理由の例
一つのことにこだわりすぎてしまい、他の活動に移れない
切り替えの合図や指示がわかりにくい
変化に不安があり、新しい活動を避けようとする
支援の工夫
予告をする:「あと5分で終わりだよ」と事前に知らせ、心の準備を作る
視覚的に示す:スケジュール表やカードで次の流れを見える形にする
合図を決める:音楽やタイマー、手拍子などわかりやすいサインを使う
楽しい活動を間に挟む:苦手な活動の前後に好きな活動を入れて移行を助ける
次の楽しみを伝える:「これが終わったら○○だよ」と前向きに切り替えられるようにする
成功をほめる:「今の切り替え、とても上手だったね」と具体的に評価する
3. 必要なことに注目する力:選択的注意を育てる工夫
周りにたくさんの刺激がある中で、大事なことに焦点を合わせる力のことです。 先生の話を聞きながら必要な部分を理解したり、絵の中から指定された色だけを探したりするなど、 「今はこれに注目する」という経験が、学習や生活の集中につながっていきます。
注目が分散しやすい理由の例
周囲に刺激が多いと、どれに集中すればいいかわからなくなる
すべての情報に同じように注意が向いてしまう
大事なポイントを見分けにくい
支援の工夫
注目すべき部分を強調する:色や枠で囲んで「ここを見る」とわかりやすくする
具体的な声かけ:「先生の声だけを聞いてね」「この文字だけを見てね」
遊びの中で練習する:「赤いものを探そう」「特定の音を聞き分けよう」などゲーム形式で学ぶ
段階を踏む:少ない情報から始め、徐々に情報量を増やして挑 戦する
手がかりを加える:指差しや身振りを添えてわかりやすく示す
できた時に具体的に評価する:「ここに集中できていたね」「よく見つけられたね」
4. ご家庭でできる工夫
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、施設での経験がご家庭でも自然に続けられるよう、日常生活に取り入れやすい工夫をお伝えしています。 ご家庭では、特別な教材や長い時間は必要ありません。短い時間でも「集中できた」「切り替えられた」という経験を積み重ねることが、力を育てる第一歩になります。
● 集中を育てるために
机の上を片づけ、テレビやおもちゃを消して落ち着ける空間をつくります。 5〜10分など短い時間で区切り、「ここまで頑張ろう」と目標を明確に伝えると、集中が続きやすくなります。 お絵かきやブロックなど、お子さまが夢中になれる活動を通して、楽しく集中の練習を重ねていくことも効果的です。
● 切り替えを助けるために
「あと5分でお風呂」「終わったら絵本を読もうね」といった声かけで、次の予定を前もって知らせておきます。 家庭でも「タイマーの音」「手拍子」など、活動の切り替えの合図を決めておくと、気持ちの準備がしやすくなります。 苦手なことのあとに、好きな遊びや安心できる時間を設けることで、次の活動への移行がスムーズになります。
● 注目を向ける力を育てるために
指示は一度に一つずつ伝え、「まずはこのページを読もう」「このお皿を運ぼう」と、行動を具体的に示します。 終わったあとには「最後まで頑張れたね」「集中して取り組めていたね」と、できたことを具体的に伝えることで、お子さまの達成感と意欲を育てます。
● ご家庭と施設で協力して進めるために
児童発達支援・放課後等デイサービスでの取り組みやお子さまの様子を共有し、ご家庭でも同じような流れや声かけを取り入れていくことで、
お子さまにとって「どこでも安心して力を発揮できる環境」につながります。
また、ご家庭での気づきや困りごとを職員に伝えることで、よりお子さまに合った支援方法を一緒に考えることができます。
家庭と施設が協力しながら、お子さまが落ち着いて集中できる時間や環境を少しずつ増やしていけるよう支えていきましょう。

集中する力は、一度にぐんと伸びるものではありません。
小さな経験を積み重ねて「少し続けられた」「前より切り替えがスムーズになった」と感じられることが大切です。保護者さまも、お子さんと過ごす日々の中で、生活の流れを整えたり、集中しやすい環境を工夫したりと、たくさんの努力をされていることと思います。
その取り組みを支えながら、お子さまがより安心して力を伸ばせる環境づくりを、施設でも一緒に進めていきたいと考えています。
日常に直結することだからこそ、不安や心配は一人で抱え込まず、施設や専門機関に気軽にご相談いただければと思います。







