児童発達支援・放課後等デイサービスで育む「考える力」|順序立てて考え、工夫し、行動できる力を育てる

はじめに:どうして「考えること」が難しいの?
―「なぜ?」「どうして?」のつながりを理解する―
考える力の土台となるのが、「順序立てて考える力」、 つまり物事の原因と結果や順序のつながりを理解する力です。
たとえば、「靴下をはいてから靴をはく」「水を入れてからコップを渡す」など、 日常生活の中には“順番”や“理由”を考える場面がたくさんあります。
お子さまの中には、行動の手順を頭の中で整理することが難しかったり、 「なぜそうなるのか」という因果関係の理解に時間がかかる場合もあります。
療育での支援の工夫
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、活動の流れややりとりの中で、 「○○だから△△するんだね」「これをしたら次はこうなるね」といった声かけを重ね、 物事のつながりを丁寧に伝える支援を行っています。
また、次のような活動を通して「考えるプロセス」を体感できるよう支援します。
「まず~」「次に~」と順番を言葉やカードで見える形にして確認する
迷路やパズルで「どう進めばゴールに行けるかな?」と道筋を考える練習をする
ブロックや工作で「どうしたら崩れない?」「どんな順番で組む?」と試行錯誤する体験を積む
ご家庭で意識できる関わり
「お風呂に入る前に服をたたもうね」など、手順を声に出して確認する
一緒に料理をしながら「次は何を入れる?」と順番を話し合う
「どうしてそう思ったの?」とたずね、考えの筋道を整理する手助けをする

目次
1.論理的に考える力を育てる
2.困ったときに考えて動く力を育てる
3.発想の幅を広げる力を育てる
4.ご家庭と一緒に育てる関わり
5.ワンポイントアド バイス(保護者さまへ)
第1章 論理的に考える力を育てる
―「なぜ?」「どうして?」のつながりを理解する―
考える力の土台となるのが、「順序立てて考える力」、 つまり物事の原因と結果や順序のつながりを理解する力です。
たとえば、「靴下をはいてから靴をはく」「水を入れてからコップを渡す」など、 日常生活の中には“順番”や“理由”を考える場面がたくさんあります。
お子さまの中には、行動の手順を頭の中で整理することが難しかったり、 「なぜそうなるのか」という因果関係の理解に時間がかかる場合もあります。
療育での支援の工夫
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、活動の流れややりとりの中で、 「○○だから△△するんだね」「これをしたら次はこうなるね」といった声かけを重ね、 物事のつながりを丁寧に伝える支援を行っています。
また、次のような活動を通して「考えるプロセス」を体感できるよう支援します。
「まず~」「次に~」と順番を言葉やカードで見える形にして確認する
迷路やパズルで「どう進めばゴールに行けるかな?」と道筋を考える練習をする
ブロックや工作で「どうしたら崩れない?」「どんな順番で組む?」と試行錯誤する体験を積む
ご家庭で意識できる関わり
「お風呂に入る前に服をたたもうね」など、手順を声に出して確認する
一緒に料理をしながら「次は何を入れる?」と順番を話し合う
「どうしてそう思ったの?」とたずね、考えの筋道を整理する手助けをする
第2章 困ったときに考えて動く力を育てる
―「うまくいかない」を一緒に考える―
何かが思い通りにいかなかったときに、「どうしたらいいかな?」と考えたり、 自分なりにやり方を工夫したりする力が「問題解決の力」です。
ただし、この力はいきなり身につくものではなく、 失敗や試行錯誤を通して少しずつ育っていきます。
療育での支援の工夫
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、職員が一緒に考える過程を大切にし、 活動の中で「考える → 試す → 振り返る」という流れを丁寧に支援します。
たとえば、
「積み木が倒れたね。どうしたらもっと高く積めるかな?」
→ 原因と結果を考え、試しながら工夫する経験を重ねる
チームでの対戦や協力ゲームなどを通じて、
→ どうすればうまくいくかを仲間と一緒に考え、話し合う力を育てる
職員は、お子さまの発達段階に合わせて声かけや課題の難易度を調整し、 安心して「考えてみよう」「やってみよう」と思えるよう支援しています。
ご家庭で意識できる関わり
うまくいかないときにすぐ答えを教えるのではなく、 「どうしたらいいと思う?」と問いかけて一緒に考える時間をつくる
失敗したときには「やってみようとしたね」「考えようとしていたね」と、努力の過程を言葉にする
助けを求められたら「助けを呼べたね」と、行動そのものを肯定する
成功したときだけでなく、「工夫したこと」「考えたこと」を共有してほめる
こうした積み重ねが、「困っても立ち止まらずに考える力」につながっていきます。
第3章 発想の幅を広げる力を育てる
―自由な考え方で「工夫する力」を伸ばす―
一つのやり方にこだわらず、別の方法やアイデアを考えられる力も、 「考える力」の大切な一部です。
年齢が上がるにつれて、柔軟な発想や「こうすればうまくいくかも」と試してみる意欲が育っていきます。 ただ、慣れたやり方に安心しやすいお子さまは、新しいことに挑戦するのが難しいこともあります。
療育での支援の工夫
「空き箱で何が作れるかな?」など、正解のない課題で発想を広げる
「もし○○だったら?」と仮定の話をして、考えを広げる練習をする
友達や職員のアイデアを共有して、「そんな考えもあるんだね」と多様な視点を学ぶ
「できた・できない」よりも「試してみたこと」を評価する
ご家庭で意識できる関わり
工作やお絵かきで「次はどうしてみよう?」と自由に発想できる場をつくる
日常で「どっちの道を通って帰る?」「どんな順番で片づけようか?」など、選ぶ機会を増やす
失敗しても「やってみようと思ったのがすごいね」と気持ちを受け止める
第4章 ご家庭と一緒に育てる関わり
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、 施設での経験がご家庭の生活でも続けられるよう、職員が日々の様子を共有し、 ご家庭に合わせた工夫を一緒に考えています。
「おうちでできたこと」「苦手な場面」をお聞きしながら、家庭・療育・学校をつなぐサポートを進めています。
家庭と施設が同じ方向を向くことで、お子さまがどの場面でも安心して力を発揮しやすくなります。

「考える力」は、学習だけでなく、生活や人との関わりを支える大切な基盤です。
一度に多くを求めるのではなく、「できたこと」「考えようとしていたこと」を丁寧に積み重ねていくことが、
将来の学習や生活の中で“自分で考えて動く力”につながっていきます。
お子さまの頑張りを一緒に見つけ、少しずつ支え合いながら進んでいきましょう。







