児童発達支援・放課後等デイサービスで育む言葉の力|ことばの理解と表現を支える支援

1. はじめに:どうして言葉が出にくいの?
言葉を覚えるには、実際の経験と結びつけて覚えることが大切です。たとえば、「りんご」という言葉を知るだけでなく、見て、触って、味わう経験を通して言葉の意味を理解していきます。
療育での支援の工夫
絵カードや実物を使って、身近な物の名前を楽しく覚える
「これは何?」「どんな色?」とやりとりを通して自然に語彙を増やす
絵本の読み聞かせや歌を通して、言葉のリズムや表現に親しむ
「嬉しい」「悲しい」「困った」など、気持ちを表す言葉を場面と結びつけて覚える
こうした体験の積み重ねが、言葉の理解を深め、使える語彙を増やしていきます。

目次
1.はじめに:どうして言葉が出にくいの?
2.言葉を理解する力を育てる
3.思いや考えをことばで表す力を育てる
4.気持ちを伝え合う力を育てる(コミュニケーションの発達)
5.ご家庭で意識できる関わり
6.ワンポイントアドバイス(保護者さまへ)
2. 言葉を理解する力を育てる
言葉を覚えるには、実際の経験と結びつけて覚えることが大切です。たとえば、「りんご」という言葉を知るだけでなく、見て、触って、味わう経験を通して言葉の意味を理解していきます。
療育での支援の工夫
絵カードや実物を使って、身近な物の名前を楽しく覚える
「これは何?」「どんな色?」とやりとりを通して自然に語彙を増やす
絵本の読み聞かせや歌を通して、言葉のリズムや表現に親しむ
「嬉しい」「悲しい」「困った」など、気持ちを表す言葉を場面と結びつけて覚える
こうした体験の積み重ねが、言葉の理解を深め、使える語彙を増やしていきます。
3 思いや考えをことばで表す力を育てる
――単語から文、そして会話へ――
言葉を使って自分の思いや考えを伝える力(表出言語)は、 「伝えたい」「わかってほしい」という気持ちを表現するための大切な力です。
この力は、単語を覚えるだけで自然に身につくものではなく、 「聞く」「理解する」「経験する」といった積み重ねの中で、少しずつ育っていきます。
たとえば、 「りんご 食べる」から 「りんごを 食べる」 「大きい りんごを 食べる」 「おいしい りんごを たくさん 食べた」 というように、単語を組み合わせて文を作り、そこから会話へと発展していきます。
療育での支援の工夫
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、お子さまの発達段階に合わせ、 楽しみながら言葉を「使う」「伝える」経験を重ねられるよう支援しています。
「誰が」「何を」「どうする」を絵カードで示しながら、文を組み立てる練習をする
助詞(「を」「に」「で」など)を、実際の動作と合わせて自然に覚える
ごっこ遊びや人形劇で、「〜したい」「〜していい?」など、目的をもった言葉の使い方を練習する
絵本の読み聞かせや活動の中で、「どうしてそう思ったの?」「どんな気持ちだった?」と問いかけ、考えを言葉にする力を育てる
ペア活動やグループ遊びで、「相手の話を聞く」「順番を待って話す」「自分の気持ちを言葉で伝える」など、会話のやりとりを体験する
このような体験を通して、 お子さまは「言葉を並べる」段階から「意味をつなげて話す」段階、 そして「相手とやりとりを楽しむ」段階へと、 少しずつ表現の幅を広げていきます。
ご家庭で意識できる関わり
ご家庭でも、日常のやりとりの中で「話す楽しさ」や「伝わった喜び」を感じられる関わりが大切です。
お子さまの話を途中で補わず、最後まで聞く時間を作る
「○○だったんだね」「△△したかったんだね」と、話した内容を言葉で受け止めて返す
一緒に写真を見ながら「これは何してるところ?」「誰と行ったの?」と、思い出を言葉にする機会を作る
会話の順番を意識できるよう、「お母さんが言ったら次は○○ちゃんね」と交代で話す練習を取り入れる
言葉が出にくいときは、「指さし」「表情」「ジェスチャー」などのサインも受け止めながら、安心して伝えられる雰囲気をつくる
このように、言葉は単なる「発音」や「単語の暗記」ではなく、 人との関わりの中で意味をもって育っていくものです。
4. 気持ちを伝え合う力を育てる(コミュニケーションの発達)
「伝えたい」「わかってもらえた」という経験は、言葉を使う意欲を育てます。 しかし、場面や相手によって言葉を使い分けることが難しいお子さまもいます。
療育での支援の工夫
「お願いします」「ありがとう」「手伝って」など、実際の場面で使う表現を練習する
お友だちや職員とのやりとりで、「順番を待つ」「相手の話を聞く」など会話のルールを身につける
絵カードや表情カードを使って、気持ちを言葉で伝える練習をする
「○○が楽しかった」「△△をしてうれしかった」と、経験を言葉にして共有する
こうした関わりを通して、「相手に伝える」「相手の気持ちを知る」経験を積み重ねます。
5. ご家庭で意識できる関わり
言葉の力は、家庭の中での関わりによっても大きく育ちます。 保護者の方が少し意識を向けるだけで、お子さまが言葉を使う機会が増えていきます。
お子さまの言葉を最後まで聞き、「そう思ったんだね」と気持ちを受け止める
何かを選ぶ場面で「どっちにする?」と質問し、自分の言葉で答える機会をつくる
絵本を読むときは、絵を指さしながら「これは誰かな?」「どこにいる?」と会話を楽しむ
言葉が出にくいときも、表情や指差しなどの伝え方を受け止めてあげる
家庭でのやりとりが、言葉への自信や意欲につながります。

言葉の発達は、焦らず、少しずつ積み重ねていくものです。
児童発達支援・放課後等デイサービスでは、「できた!」という小さな成功を大切にしながら、保護者の皆さまと協力して、お子さまが自分の思いを言葉で伝えられる力を育てています。
「話せるようにする」ことだけでなく、「伝わる喜び」「わかり合える楽しさ」を感じられるように、温かく支えていきましょう。







