児童発達支援・放課後等デイサービスで育む社会的な力|ソーシャルスキルトレーニング(SST)で「人と関わる力」を育てる ―

はじめに:どうして人との関わりが難しいの?
― 人との関係づくりの第一歩 ―
SSTの出発点は、「人と一緒にいるのは安心できる」「相手と関わるのは楽しい」という気持ちを育てること です。 信頼できる大人や少人数の友達との関わりを通して、安心して人と関わる基盤を作ります。
施設での支援の工夫
職員との一対一の関わりから始め、安心できる関係を築く
少人数の遊びや活動で「いっしょにしよう」「手伝って」と声をかけ合う経験を重ねる
職員が間に入り、子ども同士の関わりを見守りながらやりとりを支える
活動のあとに「楽しかったね」「教えてくれてうれしかったね」と気持ちをことばにして振り返る
このような経験を通して、“人と関わるのは心地よいこと”という感覚を少しずつ育てていきます。

目次
1.安心して関われる力を育てる|人との関係づくりの第一歩
2.基本的な社会的スキルを身につける|あいさつ・ことばの使い方・気持ちの表現
3.友達との関わりを広げる|思いやりと協力の経験を重ねる
4.実生活につなげる|家庭や学校と連携した支援
5.ワンポイントアドバイス(保護者さまへ)
第1章 安心して関われる力を育てる
― 人との関係づくりの第一歩 ―
SSTの出発点は、「人と一緒にいるのは安心できる」「相手と関わるのは楽しい」という気持ちを育てることです。 信頼できる大人や少人数の友達との関わりを通して、安心して人と関わる基盤を作ります。
施設での支援の工夫
職員との一対一の関わりから始め、安心できる関係を築く
少人数の遊びや活動で「いっしょにしよう」「手伝って」と声をかけ合う経験を重ねる
職員が間に入り、子ども同士の関わりを見守りながらやりとりを支える
活動のあとに「楽しかったね」「教えてくれてうれしかったね」と気持ちをことばにして振り返る
このような経験を通して、“人と関わるのは心地よいこと”という感覚を少しずつ育てていきます。
第2章 基本的な社会的スキルを身につける
― あいさつ・ことばの使い方・気持ちの表現 ―
あいさつやお礼、謝ること、気持ちを伝えることは、社会の中で人と関わる基本です。 これらは単なるマナーではなく、相手との関係を築くためのことば」です。
施設での支援の工夫
朝や帰りにあいさつを繰り返し行い、言葉を交わす習慣を作る
絵や写真を使い、「あいさつをすると相手も気持ちがいいね」と目で見て理解できるようにする
職員が間に入りながら、実際の場面で「ありがとう」「ごめんね」を一緒に伝える練習をする
「ありがとうが言えたね」「相手の方を見て話せたね」と行動を具体的に伝えてほめる
社会的スキルの練習は、「正しい言い方」を覚えるだけでなく、「どうすれば相手と気持ちが通じるか」を経験として学ぶことを重視しています。
第3章 友達との関わりを広げる
― 思いやりと協力の経験を重ねる ―
友達と関わる中で、「自分の気持ち」だけでなく「相手の気持ち」も考えることが少しずつ育っていきます。
施設での支援の工夫
「入れて」「一緒にやろう」と声をかける練習を遊びの中で実践する
順番やルールを守る遊びを通して、我慢や協力を学ぶ
工作やチームゲームを通して、「協力するとできる」経験を積む
トラブルの際は職員が入り、「どうすればよかったかな?」と一緒に考える
こうした体験を通して、「相手が笑顔だと自分もうれしい」「一緒にやると楽しい」といった 共感や協調の気持ちが育っていきます。
第4章 実生活につなげる
― 家庭や学校と連携した支援 ―
施設でのSSTの経験が、家庭や学校でも続けられるよう、 職員は保護者や学校と情報を共有しています。
たとえば、「順番を待つ」「困ったときに助けを求める」など、 施設で取り組んだ内容を家庭でも同じ声かけで実践できるよう支援しています。
また、必要に応じて言語聴覚士(ST)や心理士が関わり、 言葉の理解・感情表現・対人行動のバランスを専門的にサポートしています。

― 社会性は「安心」と「経験」の中で育つ ―
社会性の発達は、性格や生まれつきの特性だけで決まるものではありません。安心できる関係の中で、成功体験を積むことが社会性を育てる土台になります。
お子さまの「できたこと」「がんばっていたこと」を見つけて伝えることで、「次はこうしてみよう」と自ら考え、行動する力が少しずつ育っていきます。児童発達支援・放課後等デイサービスでは、保護者さまとともに、お子さまが人と関わる力を安心して伸ばせるよう支援しています。







