発達に特性のあるお子さんを育てていると、そのきょうだい——いわゆる「きょうだい児」が、知らないうちにがまんしたり、さみしい思いをしていないかと気になることがあります。けれど、それに気づいて心を配れている時点で、あなたはもう十分にがんばっています。ここでは、きょうだい児の気持ちと、家庭でできる小さな関わりをやさしく整理します。
きょうだい児とは
「きょうだい児」とは、障害や発達の特性があるお子さんの兄弟姉妹のことを指す言葉です。特別な存在というより、どの家庭にもいる当たり前の子どもたちです。ただ、特性のあるお子さんのケアに家族の時間や気持ちが向きやすいぶん、きょうだい児ならではの思いを抱えることがある、と知っておくと関わり方のヒントになります。
きょうだい児が抱えやすい気持ち
すべての子に当てはまるわけではありませんが、きょうだい児は次のような気持ちになることがあります。決めつけず、「もしかしたら」というやわらかい目で受けとめてあげてください。
- 自分のことは後回しにして、がまんしてしまう
- 親を困らせたくなくて、いい子でいようと気を配る
- 「自分も見てほしい」というさみしさを言えずにいる
- きょうだいのことや将来について、ぼんやりとした不安を感じる
こうした気持ちは、わがままでも親の失敗でもありません。やさしい子だからこそ、周りをよく見ているサインであることが多いのです。
家庭でできる小さな関わり
特別なことをする必要はありません。短い時間でも「あなたを大切に思っている」が伝わることが、何よりの支えになります。

- 1日5分でもよいので、そのきょうだい児と1対1で向き合う時間をつくる
- 話してくれた気持ちを、否定せずにそのまま受けとめる
- お手伝いやケアの役割を、負わせすぎていないか見直す
- できたことだけでなく、いてくれること自体を言葉にして認める
「ありがとう」より伝えたい言葉
つい「がまんしてくれてありがとう」と言いたくなりますが、それが続くと「がまんするのが自分の役目」と感じてしまうことがあります。かわりに、「あなたの気持ちも大切だよ」と伝えてみてください。感謝と同じくらい、その子自身の思いを尊重する言葉が、安心につながります。
役割を負わせすぎないために
年上のきょうだい児ほど、自然と「お世話係」になりがちです。手伝ってくれることはとてもありがたいですが、それが当たり前になっていないか、ときどき立ち止まって確認しましょう。
※ きょうだい児にも、勉強・遊び・友だちとの時間があります。「手伝ってくれて助かる。でも、無理はしなくていいよ」と伝えるだけで、子どもの肩の力はふっとゆるむことがあります。
困ったときの頼り先
家庭だけで抱え込む必要はありません。相談できる場所は、思っているよりたくさんあります。
- お住まいの自治体の子育て・福祉の相談窓口
- きょうだい児向けの会や集まり、支援グループ
- 学校のスクールカウンセラーや先生
- 同じ立場の保護者が集う親の会
同じ経験をもつ人や専門の窓口に話すだけで、気持ちが軽くなることがあります。
保護者自身のケアも大切に
きょうだい児を気づかう前に、まずはあなた自身が少し休むことも、同じくらい大切です。親が穏やかでいられることが、家族みんなの安心につながります。一人で頑張りすぎず、頼れるものには遠慮なく頼ってくださいね。
保護者さまへ
きょうだい児のことまで心にかけているあなたは、本当に十分がんばっています。完璧な関わりなんて誰にもできませんし、そうである必要もありません。今日できなくても、また明日、短い時間から始めれば大丈夫です。どうかご自身を責めずに、できることを少しずつ重ねていってください。
本記事は一般的な情報をまとめたものです。お子さまやご家庭の状況は一人ひとり異なります。気になる場合は専門機関・自治体の窓口にご相談ください。