お子さんの様子を見て、「もしかして発達に関係があるのかな」と気になったとき、インターネットで「発達障害 種類」「ASD ADHD LD 違い」と検索される保護者さまはとても多いです。言葉だけが並んでいると、かえって不安になってしまうこともありますよね。この記事では、代表的なタイプをやさしくご紹介します。ただし、はじめに大切なことをお伝えします。診断ができるのは医療機関だけで、この記事は一般的な説明であり、お子さんを診断したり、あてはめたりするためのものではありません。特性の出方は一人ひとり大きく異なり、いくつかが重なることもよくあります。
発達障害とは(大切な前提)
発達障害とは、生まれ持った脳の働き方の特性によって、日常生活や学習の中でいくつかの「困りごと」が出やすい状態のことをいいます。ここで、まず知っておいていただきたいことがあります。それは、特性の現れ方は本当に一人ひとり違い、はっきり分けられるものではないということです。同じタイプでも、得意なことも苦手なことも子どもによってさまざまです。
そして何より大切なのは、これはお子さん本人の努力不足でも、保護者さまの育て方のせいでもないということです。特性は「性格が悪い」「しつけが足りない」といったものとはまったく違います。どうか、ご自身を責めないでください。
代表的な3つのタイプ
ここでは、よく耳にする3つのタイプをやさしくご紹介します。あくまで一般的な傾向で、お子さんにそのまま当てはめるためのものではありません。

ASD(自閉スペクトラム症)
人とのやりとりやコミュニケーションに独特さがあったり、決まった手順やものへの強いこだわりがあったり、音や光・肌ざわりなどの感覚に敏感(または鈍感)だったりする傾向があります。「スペクトラム」とは連続体という意味で、その現れ方はとても幅広く、はっきり線を引けるものではありません。
ADHD(注意欠如・多動症)
集中が続きにくい・忘れ物が多いといった不注意の傾向、じっとしているのが苦手といった多動の傾向、思ったことをすぐ行動に移してしまう衝動性の傾向などがあります。どれが強く出るかは子どもによって異なり、年齢とともに変化していくこともあります。
LD/SLD(学習障害・限局性学習症)
全体の理解に大きな遅れはないのに、「読む」「書く」「計算する」といった特定の学習だけが、努力してもうまくいきにくい状態です。本人はとてもがんばっているのに結果が出づらいため、まわりに気づかれにくいこともあります。
特性は困りごとにも、強みにもなる
特性は「困りごと」として見えることもありますが、見方を変えると、その子ならではの個性や強みにもなります。強いこだわりは深い探究心に、活発さは行動力や発想の豊かさに、独自の感じ方はユニークな視点につながることがあります。困りごとの裏側には、その子の魅力が隠れていることが少なくありません。
日々の接し方の基本
タイプにかかわらず、どのお子さんにも役立つ、やさしい土台となる関わり方があります。
- 「叱って直す」より、困りにくい環境を整えてあげる
- 次に何をするか、見通しを持てるように前もって伝える
- 大きな目標は小さなステップに分けて、少しずつ進む
- できなかったことより、「できた」に目を向けて認める
- その子のペースを尊重し、まわりと比べすぎない
気になったら|まず相談を
「もしかして」と感じたときは、診断名にとらわれる前に、まず気軽に相談してみることをおすすめします。お住まいの地域の保健センターや子育て支援の窓口、発達相談の窓口、かかりつけのお医者さんなどが、はじめの一歩として頼れる存在です。相談することは、お子さんを「決めつける」ことではなく、これからの向き合い方を一緒に考える入り口です。
※ お子さんに合った支援や必要なサポートは一人ひとり異なります。気になることがあれば、抱え込まず、早めに専門機関や自治体の窓口にご相談ください。
保護者さまへ
お子さんのことを思って調べているあなたは、それだけで十分にお子さんと向き合えています。特性は「治すべき欠点」ではなく、その子を理解するための手がかりです。うまくいかない日があっても大丈夫。あなたとお子さんのペースで、少しずつ進んでいけば十分です。ひとりで抱えず、まわりの力も借りながら歩んでいきましょう。
本記事は一般的な情報をまとめたものです。診断は医療機関で行われ、特性の現れ方や必要な支援は一人ひとり異なります。気になる場合は専門機関・自治体の窓口にご相談ください。