感覚過敏とは?種類と家庭でできる工夫

「大きな音がすると耳をふさいで泣いてしまう」「特定の服のタグやチクチクが気になって着られない」——そんなお子さまの様子に、どう接したらいいのか悩んでいませんか。それは決して大げさでも、わがままでもありません。感じ方の特性である「感覚過敏」かもしれません。この記事では、感覚過敏の種類と、家庭でできる工夫をやさしくご紹介します。

感覚過敏とは?(わがままではありません)

感覚過敏とは、音や光、肌ざわりといった身のまわりの刺激を、人よりも強く感じてしまうため、生活の中で困りごとが出てくる状態のことをいいます。まわりの大人には「これくらい平気なのに」と思えることでも、本人にとっては痛みに近いほどつらく感じられることがあります。

大切なのは、これが「わがまま」や「甘え」ではなく、感じ方の特性であるということです。本人が困ってわざとやっているわけではありません。反対に、痛みや呼びかけなどの刺激を感じにくい「感覚鈍麻(どんま)」という特性もあり、過敏と鈍麻が同じお子さまに混ざって見られることもあります。

感覚の種類と困りごとの例

ひとことで感覚過敏といっても、どの感覚が敏感かは一人ひとり違います。代表的な感覚と、よくある困りごとの例を見てみましょう。

聴覚・視覚・触覚・味覚嗅覚・前庭固有覚など感覚の種類と困りごとの例の図
感覚の種類と困りごとの例

聴覚(音):掃除機や運動会のピストル、ざわざわした場所の音が苦手で、耳をふさいだり嫌がったりします。

視覚(光・見え方):まぶしい光や、たくさんの物が並んだ場所が苦手で、目を細めたり落ち着かなくなったりします。

触覚(肌ざわり):服のタグや素材、砂や粘土、手をつなぐことなどを嫌がることがあります。

味覚・嗅覚(味・におい):特定の食感やにおいが苦手で、食べられるものが限られたり、その場所を避けたりします。

前庭覚・固有覚(体の動き・バランス):ブランコや高い場所、体が揺れる動きを怖がる、または力の加減がつかみにくいことがあります。

家庭・生活でできる工夫

おうちでできる工夫は、「苦手な刺激を減らし、安心できる環境をつくる」ことが基本です。次のような方法を、お子さまの様子に合わせて試してみてください。

  • 苦手な刺激をやわらげる(イヤーマフや耳栓、帽子やサングラス、服のタグを切る・肌ざわりのよい服を選ぶ など)。
  • 次に何が起こるかを前もって伝え、見通しを持たせる(「あと5分で掃除機をかけるね」など)。
  • 無理強いをしない。嫌がるときは一度離れて、落ち着くのを待ちます。
  • クールダウンできる、静かで落ち着ける場所を用意しておく。
  • 慣らすときは、本人のペースで少しずつ。できたことを一緒に喜びましょう。

周囲と共有する・相談する

家庭での工夫に加えて、通っている園や学校、放課後等デイサービスなどの施設と、お子さまの苦手や工夫を共有しておくと、過ごす場所全体が安心できる環境に近づきます。座る場所を配慮してもらう、イヤーマフの使用を認めてもらうなど、少しの調整で楽になることは少なくありません。

困りごとが強く、生活に大きな影響が出ている場合は、作業療法士(さぎょうりょうほうし)などの専門職や、お住まいの自治体の発達相談の窓口に相談してみましょう。一人ひとりに合った関わり方を、専門家と一緒に考えていくことができます。

保護者さまへ

お子さまの「嫌がる」「できない」が続くと、保護者さまご自身も疲れてしまうことがあると思います。うまくいかない日があっても、それはお子さまのせいでも、育て方のせいでもありません。お子さまが安心できる工夫が一つでも見つかれば、それは大きな一歩です。どうか一人で抱え込まず、周囲や専門職の力も借りながら、少しずつ進んでいってくださいね。

※ 感覚過敏は目に見えにくいため、周囲に理解されにくいことがあります。「困っているのは本人」という視点を大切に、責めずに寄り添う関わりを心がけましょう。

本記事は一般的な情報をまとめたものです。感覚の感じ方や必要な工夫は一人ひとり異なります。気になる場合は専門職・自治体の窓口にご相談ください。

お子さまに合った施設を探してみませんか?

かんたんな質問に答えるだけで、お子さまにぴったりの施設が見つかります。