「ぼ、ぼ、ぼく」とことばが繰り返されたり、最初の音がつまって出てこなかったり。お子さんの話し方が気になって、「どう声をかけたらいいんだろう」と不安になっていませんか。吃音(どもり)は決してめずらしいものではなく、幼児期にあらわれることがよくあります。ここでは、ご家庭でできるやさしい関わり方を一緒に見ていきます。
吃音(どもり)とは?3つの出方
吃音とは、ことばがなめらかに出にくくなる状態のことです。あらわれ方にはいくつかの種類があります。
- 連発:「ぼ、ぼ、ぼく」のように、同じ音を何度も繰り返す
- 伸発:「ぼーーく」のように、音をのばす
- 難発(ブロック):ことばが出にくく、最初の音でつまってしまう
どの出方が強いかは一人ひとり違い、時期によって変わることもあります。
なぜ起きるの?育て方のせいではありません
まず知っていただきたいのは、吃音は親の育て方やしつけが原因で起こるものではないということです。体質や発達など、複数の要因が関係していると考えられています。「私の接し方が悪かったのかな」と自分を責める必要はまったくありません。あなたのせいではないのです。
家庭での関わり方
ご家庭では、お子さんが安心して話せる雰囲気をつくることが何より大切です。うまく話させようとするのではなく、「話したい気持ち」をゆったり受け止めてあげましょう。
- 話し終わるまで、最後までゆっくり聞く
- 先回りして言ってあげたり、言い直させたりしない
- 「早く」と話をせかさない
- 話し方ではなく、話の内容に反応する(「そうなんだね」「楽しかったね」)
- 保護者自身も、ゆっくりおだやかに話しかける

やりがちだけれど逆効果になりやすいこと
よかれと思ってかけた言葉が、かえってお子さんのプレッシャーになることがあります。
- 「ゆっくり話して」「落ち着いて」と言う
- 「もう一回言ってごらん」と言い直させる
- 話している途中でことばを足してあげる
こうした関わりは、「うまく話さなきゃ」という意識を強めてしまいがちです。気づかずにやっていたとしても、大丈夫。今日から少しずつ変えていけば十分です。
自然に落ち着くこともあれば、続くことも
吃音は2〜5歳ごろに始まることが多く、成長とともに自然に落ち着いていくことも少なくありません。一方で、そのまま続いていく場合もあります。どちらになるかは一人ひとり異なり、「必ず治る」「絶対に続く」と言い切れるものではありません。あせらず、お子さんのペースを見守っていきましょう。
※ 吃音があっても、お子さんの気持ちや伝えたいことは変わりません。「話す楽しさ」を一緒に感じられる時間を大切にしてあげてください。
相談の目安と相談先
次のようなときは、一度専門家に相談してみると安心です。
- 半年以上続いている、または強くなってきたと感じる
- お子さん自身が話すことをいやがったり、避けたりするようになった
- 保護者として不安が大きく、関わり方に迷っている
ことばの専門家は言語聴覚士(ST)です。相談先としては、自治体の言語・発達相談の窓口、ことばの教室、小児科や耳鼻科などの医療機関があります。「まだ早いかな」と迷う段階でも、気になれば早めに相談して問題ありません。
※ 相談は「問題がある」と決めるためのものではなく、お子さんに合った関わり方を一緒に考えるための場です。気軽に活用してください。
保護者さまへ
お子さんの話し方を心配しながら、毎日ていねいに向き合っておられること、本当にすばらしいことです。吃音はあなたのせいではありませんし、正しい・間違いで測れるものでもありません。お子さんが安心して話せる場所であり続けること——それがいちばんの支えになります。どうかご自身を責めず、ひとりで抱え込まず、必要なときには専門機関の力も借りてくださいね。
本記事は一般的な情報をまとめたものです。ことばの育ちや必要な支援は一人ひとり異なります。気になる場合は専門機関・自治体の窓口にご相談ください。