お子さまの就園・就学にあわせて、「集団のなかでうまく過ごせているだろうか」「先生にきちんと特性を理解してもらえているだろうか」と気になる場面は少なくありません。そんなとき、保護者にとって心強い選択肢となるのが、児童福祉法に基づく「保育所等訪問支援」です。専門の支援員が保育園・幼稚園・学校などにお子さまを訪問し、本人への直接支援とあわせて、現場の先生方への助言を行う”訪問型”の福祉サービスです。
2024年度の障害福祉サービス等報酬改定では、対象施設が小学校・中学校・高校・乳児院・児童養護施設等まで広がり、訪問頻度や評価の仕組みも整理されました。一方で、「サービス名は聞いたことがあるけれど、実際にどう使えばよいかわからない」という保護者の声も多く聞かれます。この記事では、保育所等訪問支援を上手に活用するために、保護者として押さえておきたいポイントを3つに整理してお伝えします。
保護者が知っておきたい3つのポイント
① “訪問先”でお子さまと先生の双方を支える仕組み
保育所等訪問支援の特徴は、児童発達支援センターや事業所のスタッフではなく、訪問支援員(児童指導員・保育士・心理職など)がお子さまが普段通っている園や学校に出向く点にあります。訪問支援員は、お子さま本人に直接関わって集団参加を後押しすると同時に、担任の先生やクラスの体制について「どんな声かけが入りやすいか」「どの場面で配慮があるとよいか」といった助言を行います。
「家ではできるのに園では難しい」「先生からの様子と家庭での印象が違う」といったとき、家庭・事業所・園/学校の三者を同じ言葉でつなぐ役割を担うのが訪問支援員です。保護者にとっては、自分が園に直接申し入れにくいことを専門職に代弁してもらえる安心感もあります。
② 利用には受給者証が必要・利用料は1割負担&上限あり
保育所等訪問支援は障害児通所支援の一つで、利用にはお住まいの市区町村が発行する通所受給者証が必要です。すでに児童発達支援や放課後等デイサービスを利用している場合は、同じ受給者証に「保育所等訪問支援」の支給量を追加してもらう形で利用できます。
利用料は原則1割負担で、世帯所得に応じた月額利用者負担上限(多くの世帯は4,600円または9,300円)が設けられています。他の通所支援とあわせて利用しても、上限を超えて請求されることはありません。訪問頻度は月1〜2回程度から始めるケースが多く、お子さまの状態や園/学校との合意のもとで支給量が決まります。
③ 利用開始までの流れと、園・学校との合意づくり
利用までの一般的な流れは、市区町村の窓口や相談支援専門員への相談 → 訪問先となる園/学校への相談・承諾 → 受給者証の申請・支給決定 → 事業所との契約・訪問計画の作成、というステップです。訪問は園/学校の協力なしには成立しないため、事前に管理職や担任に趣旨を共有し、合意を得ておくことが大切です。
「特別な扱いをしてもらうのではなく、集団のなかで過ごしやすくなる工夫を一緒に考えるための支援」という位置づけを保護者から丁寧に伝えると、現場の先生方も受け入れやすくなります。事業所に同行をお願いし、最初の打ち合わせから保護者・園・事業所の三者で話し合うのもおすすめです。
ブロッサム発達パークの見解
ブロッサム発達パークでは、保育所等訪問支援を「お子さまが普段過ごす場そのものを、お子さまに合わせて少しずつ調整していくための支援」と捉えています。事業所の中で身につけた力を、園や学校という”本番の生活の場”で発揮できるようにすることは、児童発達支援・放課後等デイサービスの大切な役割の延長線上にあります。
私たちは、訪問先の先生方の負担にならないよう、観察と助言のバランスを大切にしながら、家庭・園/学校・事業所が同じ目線でお子さまを見つめられるチームづくりを心がけています。「就園・就学が不安」「集団のなかでの様子が気になる」といったお悩みがあれば、まずはお気軽にご相談ください。お子さまにとって最もよい支援の組み合わせを、一緒に考えてまいります。
参照:こども家庭庁「障害児通所支援に関する検討会報告書」/こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」/厚生労働省「保育所等訪問支援ガイドライン」